質問
従業員が不注意で高価な機材を落として壊しました。「全額弁償しろ」と命じ、給与から天引きすることは法的に可能でしょうか?就業規則には「損害は賠償させる」と書いてあります。
【質問者の本音を深堀】
弁償させて反省させたい。
ヨリビズ弁護士の回答
- 全額弁償や一方的な給与天引きは違法となる可能性が高いです。
- 労働基準法で「賠償予定の禁止」や「全額払いの原則」があるため、従業員の重過失がない限り、賠償額は損害の2~3割程度に制限されるのが判例の傾向です。
- 実務上は、会社に損害を与えたことを理由に懲戒処分(減給や降格など)を行うことが一般的です。
【解説】
会社は従業員の労働によって利益を得ているため、リスクも負担すべきという「報償責任」の考え方があります。
わざと(故意)や重大な過失(酔っ払って操作した等)がない限り、全額請求は認められません。通常は損害額の5%~25%程度が限度です。
また、同意なく給与から天引きするのは労基法24条違反です。どうしても請求する場合は、本人と話し合って「合意書」を作り、給与とは別に振り込ませるか、天引きの協定を結ぶ必要があります。


