新サービスや社名を決める際、「響きが良いか」「ドメインが取れるか」ばかりを気にする方が多すぎますが、真っ先に確認すべきは「他社の商標権を侵害していないか」です。
現場で本当によくあるのが、看板を掲げ、パッケージを作り、広告を打ち出した直後に「その名称は当社の登録商標です。直ちに使用を中止せよ」という内容証明郵便が届く悲劇です。
名称変更に伴うWebサイトのデザイン改修や名刺の刷り直し、商品の全回収にかかるコストは多額に上り、創業期の資金繰りを一撃で破壊します。
事前対策
この悲劇を防ぐ自衛策は至ってシンプルです。
ネーミングの候補が出たら、特許庁の無料データベースJ-PlatPat(特許情報プラットフォーム)で必ず検索してください。
文字の完全一致だけでなく、「称呼(読み方)」が似ているものがないかを確認するのが、実務上の重要なポイントです。
カタカナや英語に表記を変えただけではアウトです!
商標は「見た目」だけでなく、「読み方」や「意味」が似ているかでも判断されます。
「Apple」と「アップル」は同一扱いされます。必ず「読み方(称呼)」で類似検索してください。
商標登録には、登録区分というものがあります。原則として、区分が違えば呼称が同じであっても、商標権侵害にならないなのですが、実務上は「区分が違えば100%安全」とは絶対に言い切れません。 現場では以下の2つの罠にハマります。
1. 有名ブランドの例外(不正競争防止法) 例えば「ソニー」という名前のラーメン屋を開いたら、区分が全く違ってもアウトです。有名な名称への「タダ乗り(フリーライド)」や混同を招く行為として訴えられます。
2. 「類似群コード」の罠 商標には区分とは別に、商品・サービスの似たもの同士をグループ分けした「類似群コード」という裏の分類があります。例えば「ダウンロード用アプリ(9類)」と「クラウド上のSaaS(42類)」は区分が違いますが、実質的に同じビジネス領域として「類似している」と判定され、アウトになることが多々あります。
調査により、問題がなければ必ず「リリース前」に商標出願を済ませること。
日本の商標は先に使った者ではなく「早い者勝ち(先願主義)」です。
情報を公開した途端、他社に横取りされるリスクがあります。ネーミング決定と商標チェックは、必ずセットで行う経営習慣をつけてください。
① 出願時(申請する時)の費用:12,000円
- 内訳:基本料3,400円 +(8,600円 × 1区分)
- ※審査に落ちても、このお金は返ってきません。
② 登録時(無事に審査に通った時)の費用
- 10年分の権利を一括で買う場合:32,900円
- 5年分の権利だけ買う場合(分割納付):17,200円
▶︎ 合計コスト(1区分)
- 10年登録なら 【合計 44,900円】
- 5年登録なら 【合計 29,200円】
※注意:インターネット経由ではなく、紙の書類を特許庁に郵送して出願する場合は、上記のほかに「電子化手数料(2,400円+800円×枚数)」が別途数千円かかります。


